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相続財産の調査方法
2018年05月21日
相続手続遺産分割

ある人が死亡し、死亡された人の財産を配偶者や子どもなどの親族が財産を引き継ぐときには、死亡した人が所有していた財産を調査して、誰がどれだけ引き継ぐかを決定する必要があります。

相続税の申告時に相続財産の調査に漏れがあると、あとで余計に税金がかかってしまう場合があるので、相続財産をしっかり調査し把握しておくことは非常に重要になります。

 

1.不動産の調査方法

生前に家族などに被相続人が所有していた不動産を知らせることなくお亡くなりになることが多々あります。

不動産は評価額が多額になることが多いので、調査漏れがあるとペナルティで課される税金も多くなります。

不動産を所有している場合、下記の書類があるはずなので徹底的に調べてみましょう。

・権利書

・登記識別情報

・固定資産税の納付書又は固定資産税評価証明書

家で資料が見つかった場合は市町村役場に行きましょう。

市町村役場では、その市町村にある不動産しか管理していないため、不動産があるあるかもしれない全ての市町村役場に行く必要があります。

役場には資産税課のような名前の課があるはずなので、そこで名寄帳(役場によって名前は異なります)を取得しましょう。

名寄帳には被相続人がその市町村で所有していた不動産の一覧が記載されています。

名寄帳の取得ができたら、その名寄帳に記載されている全ての不動産の固定資産評価証明書も取得しましょう。

固定資産評価証明書はその不動産ごとに市町村がいくらで評価しているかという金額が記載されています。

所有していた不動産がわかったら登記事項証明書を取得しましょう。

登記事項証明書は法務局に行くかインターネットでも請求することができます。

 

2.預貯金の調査方法

預貯金ももちろん相続税の対象となります。

預貯金は評価が用意で申告漏れはないと考えるかもしれませんが、預貯金を一括で管理している組織はなく、各金融機関に被相続人の預貯金があるかないかを調べないと把握できません。

 

(1)調査に必要な資料


 

預貯金の有無を調査するためには以下のような資料があればよいでしょう。

・預貯金通帳

・預貯金証書

・キャッシュカード

・タオル,カレンダー,ボールペンその他記念品(ノベルティー)

・税理士の名刺など

・残高証明書

・取引明細書

 

(2)資料の探し方


家の中で被相続人が通帳、キャッシュカードをしまっていそうなところをくまなく探しましょう。

通帳もキャッシュカードも小さいのでなかなか見つからないかもしれません。

家にあるタオルやカレンダー、文房具に金融機関の名前が入っていれば、その金融機関と取引があったかもしれません。

家に税理士や会計士の名刺があったら、過去に被相続人が税務申告を行っていた可能性があります。

その場合、税理士は被相続人の預貯金口座を把握しているかもしれません。

 

(3)残高証明書の取得


残高証明書はその金融機関の全ての支店にある口座、つまり普通預金、定期預金、投資信託ななどのすべての情報を取得できます。

残高証明書の取得は、金融機関により異なりますが請求してから2週間ほどかかるので早めに請求しましょう。

残高証明書は相続人であれば誰でも取得できます。

残高証明書の請求には身分証明書と被相続人、相続人の戸籍などが必要です。

また、金融機関では取引明細書も取得しておくとよいでしょう。

最近増えているネット銀行では、支店の窓口がないため、コールセンターに電話して請求書を郵送してもらいましょう。

 

(4)名義預金


名義預金とは、口座の名義は非相続人の配偶者や子どもになっていても非相続人が実質的に口座を管理したり所有したりしている口座です。

非相続人はこのような口座を配偶者や子供に贈与し実質的に管理しているのが非相続人である場合は、贈与したとは認められず相続時に非相続人の財産とみなされて相続税が課せられます。

相続税の申告時にこの名義預金が含まれていないと申告漏れになってしまい、後からペナルティの税金が課されられるので注意しましょう。

非相続人の生前に相続人に預貯金を贈与する場合は、手渡しではなく振込を利用し贈与したことが記録に残るようにしましょう。

また、贈与税の基礎控除110万円以下で毎年贈与しても、「定期金に関する権利」を取得したと判断されてしまうことがあります。

定期金に関する権利とは、複数年にわたって金銭等を受け取ることができる債権です。

例として毎年100万円を10年間、非相続人から相続人に贈与した場合、最初に100万円を受け取った年に1,000万円の贈与があったとしてその年に贈与税が課せられる場合があります。

 

3.金融商品の調査方法

(1)調査に必要な資料


被相続人が生前持っていた株式、社債、国債、地方債、投資信託等の金融商品も預金と同じように一括して調べることはできません。

証券会社、信託銀行、その他銀行など、金融商品取引業者等に問合せをして調べるしかありません(非上場の株式は除く)。

 

被相続人が取引を行っていた証券会社や信託銀行を見つけるために以下の資料が家にないか探してみましょう

・取引口座の開設案内書や約款規定のたぐい

・取引報告書,運用報告書など

・取引残高報告書,利払い報告書など

・株式発行会社の事業報告書

・株式発行会社の株主総会召集通知

・国債など債券の保護預かり通帳(証書)

 

また、最近はインターネットでの株式の取引ができるので被相続人のパソコンにネット証券などのホームページがブックマークされていればそのネット証券を利用していた可能性が高いでしょう。

 

(2)各種報告書の取得


被相続人が取引をしていた証券会社や信託銀行がわかったら以下の資料を証券会社や信託銀行から取り寄せましょう。

・取引残高報告書

・取引報告書、運用報告書

 

上記の資料を取り寄せる際に金融機関から以下の書類を求められます。

・被相続人の戸籍

・相続人の戸籍

・相続人の印鑑証明書

これらは相続人全員分ではなく、代表者1人分を提出するだけで大丈夫です。

 

4.マイナスの財産(債務)の調査方法

被相続人に債務があった場合は、相続人はその債務も引き継ぐことになります。

相続税の計算をする際は、プラスの財産からマイナスの財産を控除し、相続税がかかる財産が小さくなります。

また、プラスの財産よりもマイナスの財産が大きい場合などに相続人が相続放棄をするかしないかを決定するためには、被相続人に債務があったかどうかを調査する必要があります。

 

(1)調査に必要な資料


被相続人がどこから借入を行っていたかわからない場合は、以下のような書類がないか調べましょう。

・金銭消費貸借契約書

・預金通帳

・債権者からの督促状

・不動産の登記事項証明書

・自動車の車検証

 

銀行や消費者金融から借入を行っている場合は、通常金銭消費貸借契約書があるはずです。

銀行から借入を行っていれば通帳に「ローン返済」などの記載があるでしょう。

債権者からの郵便物としては支払の督促状、催告状があります。

被相続人名義の自宅等の不動産の登記事項証明書に抵当権や根抵当権、質権が設定されている場合は被相続人に借入がある可能性があります。

自動車ローンを使っていた場合は車検証を見てわかる場合があります。

 

 

(2)金融機関などへの問い合わせ


金融機関やクレジット会社、消費者金融などは信用情報機関を作っているため、以下に記載している機関に問い合わせることで被相続人の借入情報を入手することもできます。

相続人が被相続人の信用情報を開示請求する場合は、戸籍謄本等の書類が必要になります。

開示請求を行ってから情報を取得できるまで非常に時間がかかるため、早めに手続を行うようにしましょう。

・株式会社日本信用情報機構   消費者金融に対する借入

・株式会社シー・アイ・シー   クレジット会社に対する借入

・一般社団法人全国銀行協会   銀行に対する借入

 

被相続人の債務を把握することができたら、遺産を引き継ぐか否かを決定します。

相続放棄を行う場合は、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄申述の申立てをする必要があります。

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