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赤字の会社の社長が自分の土地をその会社に貸すと相続税を減らせるって本当ですか?
2018年12月07日
よくある質問〜相続税〜節税対策方法〜相続、贈与〜

Q 赤字の会社の社長が自分の土地をその会社に貸すと相続税を減らせるって本当ですか?


A  土地の貸し借りを行う場合、土地を貸す人は借りる人から「権利金」というお金をもらうことになっています。
「契約期間が過ぎても正当な理由がなければ借主は土地を借りる契約を更新できる」と法律で決まっており、貸主側からは契約を終わらせることができないためです。
簡単にいうと「よっぽどの理由が無い限り、借主はずっと土地を借り続けることができる」ということです。
しかしそれだと貸主は土地を持っているけれどその土地を自由に使う事ができなくなり、不利益を被ります。
その不利益をなくすため権利金をもらうことになっています。

でも、社長が自分の会社へ土地へ貸したりする場合には、わざわざその社長は自分の会社から権利金をもらわないことが多いと思います。
こういった時には、借主である会社は権利金を払わずに土地を借りることができますが、会社からすると権利金分を社長から贈与(貰った)と考えられて権利金分の利益が増えることになり法人税が課されることがあります。
これを「借地権の認定課税」といいます。
借地権とは、土地を借りてその上に借主名義の建物を建築することができる権利です。
相続税法では、借地権も相続の対象となり相続税が発生します。
借地権の計算方法は「土地の価格✕借地権割合」という式で計算されます。
(ちなみに権利金は借地権の金額を元に計算されます。)
借地権割合は国税庁のウェブサイトで確認することができます。
だいたい70~90%に設定されている場合が多いようです。

借地権の認定課税が行われると法人税が増え大変になることありますが、税務署も鬼ではないのでこれを回避する方法があります。
その方法の1つとして税務署に「土地の無償返還に関する届出書」を提出するというものがあります。
「土地の無償返還に関する届出書」とは、土地を貸し借りする契約において将来借主(会社)が土地を無償で貸主(社長)に返還することを約束し、 貸主(社長)と連名で所轄の税務署に提出する届出書です。
この届出書を提出すれば、借主は権利金を支払わなくてもよいし、 地代についても、低額もしくはまったく払わないこともできます。

借地権の認定課税を避けるために「土地の無償返還に関する届出書」を提出し、借地権を認識しない方法を取る事が多いのですが、会社が贈与を貰っても赤字が多くて法人税が増えない場合には、あえて「土地の無償返還に関する届出書」を提出しないで法人税等を会社が負担することなく社長が所有している土地の評価額を引き下げることができます。

では、なぜ「土地の無償返還に関する届出書」を提出しない場合に土地の評価額を引き下げることができるのでしょうか。
土地の評価額の計算方法が以下のようになります。

A「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出しなかった場合(社長から会社に権利金の贈与があったとみなされる場合)

土地の評価額=自用地としての価額(※)-借地権の価額
※自用地としての価額:所有者以外に使用する権利者がいないとしたときの価額

 

社長と会社間で借地権の贈与があるとみなされるため、土地は上記のように評価され土地の評価額は借地権の部分だけ下がります。

 

B「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出した場合

 

土地の評価額=自用地としての価額✕80/100

社長と会社間で借地権の贈与はないのですが、土地所有者である社長はその土地について制約(自分の家等を建てれない)があるため自用地としての価額から20%評価減されます。

 

Aの場合、借地権割合は70~90%と設定されていることが多く土地の評価額は自用地としての評価額の1割~3割となります。

Bの式では土地の評価額は自用地としての評価額の8割となります。

AとBを比べると「土地の無償返還に関する届出書」を提出せず、Aで計算された土地の評価額のほうが低くなり相続税を減らすことができます。

 

最後に


社長が赤字(繰越欠損金)のある自分の会社に土地を貸す際にあえて「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出しないことによって、社長の土地の評価額を下げることができ、相続税を減らすことにつながるということがわかって頂けたでしょうか。
「土地の無償返還に関する届出書」を提出しない場合には、会社は土地の借地権(資産)を所有することになりその会社の株価に影響してくる(株価は会社の資産の累計によって変動する)ことがあり、節税につながらないことがあるため、この方法を使いたいときは専門家と相談するようにしましょう。

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